髪は身だしなみの出発点:90歳のキモチ

90歳のキモチ

散髪に行った。思い切って、刈り上げてもらった。人生初の刈り上げ。ここのところ行きつけになっているイレブンカットコピオ城山店。車を降りて十分に歩ける距離でお店に行けて、美容師さんたちが丁寧に対応してくれる。

月曜の昼前、お店は混んでいたが、順番待ちの方々からも席の心配をしていただくなど、温かさが嬉しい。

今回、刈り上げを決意したのは、子供の頃の思い出にさかのぼる。

小学校の4年生のときあんな美しい人は見たことがないような裁縫の先生に教わった。何かの用事で先生のご自宅を訪ねたのだろう。そこで混じりけのない白髪頭の老婆に出くわす。腰近くまであろうかという白髪をお団子に結った、その髪型がとにかく怖かった。先生のお姑さんだったのだが、女性の白髪頭を見るたびに、その時の恐怖がよぎる。

あれから80年。このごろ毛染めもパーマもやめてみて、髪の状態は生涯でいちばんと言っていいほど。ただ、伸びが早くて、散髪が追い付かない。

鏡を覗けば今や自分も混じりけのない白髪状態。子供心に焼き付いたあの恐怖心を人に与えるようなことがあってはいけないと、思い切って刈り上げたのだ。

コロナのこともあって、この頃は外出の機会もめっきり減ってしまったが、来客がないわけではない。配達や用事の人も来る。週に2回はリハビリにも出かけるし、トレーナーの先生方や、仲間にも会う。

ほんとうにさっぱりした。誰か気づいてくれるかな。

(2021年12月7日朝に伺った話をもとに作成)

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