コロナワクチン接種:副反応より怖ろしいこと

現代社会論

 ワクチン接種の効果

コロナワクチンの接種が進む一方で、感染拡大が止まらない。

政府は躍起になって接種の徹底を呼び掛けるが、厚生労働省のHPのQAで公表していることを注意深く読むと、接種の効果は、感染予防ではなく、発症予防であることに気づく。

 

新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、重症化を予防する効果が期待されています。効果の持続期間や、感染を予防する効果についても、時間の経過や接種者数の増加に伴い、研究が進んでいます。

https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0011.html

 

ワクチン接種については副反応についての記述ばかりが目立ち、有効性についての説明は、クリックを重ねないと出てこない。これはこれで大きな問題であるが、副反応のデメリットを受け入れるためには、ワクチンの有効性を具体的に知っておく必要がある。

まず「感染症の発症を予防する高い効果」はある。しかし「重症化を予防する効果」は期待レベル。「効果の持続期間」「感染を予防する効果」は、研究中なのである。

つまり、現時点で確実視できるのは、発症予防のみなのである。

 

ワクチン接種は万能か?

ところが、首相の会見でも、それを受けて発信されるメディアの情報でも、ワクチンの効果で保障されているのは、感染予防ではなく、発症予防でしかない点は、筆者の知る限りではあるが、言及されない。

となると、接種者が「これで、うつさないしうつらない」と考えるのも無理はない。効かないブレーキかもしれないなどとはつゆほども思わない。

たとえば、感染拡大が止まらないとされている神奈川県某市の日中のファミリーレストラン。高齢者たちが大人数で集まって、6人掛けテーブルに6人で座って、自分たちのサークル活動について喧々諤々の議論を大声で交わしている。

たとえば、介護関係の従事者。接種を済ませた人たちが拡げているかもしれないという認識を持ちながらも、高齢者の自宅への訪問を続けている。

家庭内感染にしても、あくまでも可能性としての話ではあるけれど、接種を済ませた方からの感染がありえないわけではない。

接種を受けたくて予約さえできないような状況に置かれているにもかかわらず、悪者扱いされてきた20代から40代の人々の感染拡大は、接種を完了し、比較的自由な行動を再開し始めた65歳以上のワクチン接種者が感染拡大源になっている可能性があるということなのだ。

実際に感染者数も爆発している状況は、彼らが、ワクチン接種をしないからではなく、ワクチン接種が万能薬であるかの如くに接種を進めた政府が人為的に引き起こしたものとさえ言いうるのだ。

 

ブレーキだと信じて踏んでもアクセルはアクセルだ

これまで政府のコロナウイルス対応は、アクセルとブレーキの両方を踏むような対策であったけれど、ワクチン接種は、一気にアクセルを踏み込んだような状態だ。感染力の強いデルタ株がウイルスの大半を占めている状況で、ブレーキだと信じて疑わないのだから止めようがない。

打てば、感染しても発症に気づかないために、感染を広め、打たなければ自分はコロナには罹らないと信じてかつての日常を生きている人々からうつされる。

コロナは重症化すると肺を機能不全に追い込むという点で、命の危機に直結する病である。

ワクチン接種を万能薬であるかのように徹底しようとする政府の方針、そして、ワクチン接種さえ済ませれば、うつらないしうつさないと安心する姿勢は、科学的なエビデンスを伴わない。

政府は、おそらくアクセルとブレーキだと言い張り、人の命が失われ、致命的な危機に晒してもなお、あれはブレーキだと自らの誤りを認めることはないであろう。

 

コロナウイルスを嗤わせないために

あくまでも、上記の厚生労働省の公式見解に基づく、現時点での見方ではあるけれど、接種にアクセルの側面があるという懸念は払しょくできない。

ワクチンを打ったにせよ、打たないにせよ、政府が躍起になるワクチン接種には、人為的に感染が蔓延する仕組みを醸成する惧れがあることを、肝に銘じておきたい。

簡便な治療薬、日常的な検査体制、水際対策、そしてワクチン接種。まさに「総合的」「包括的」な対応が求められるところではあるが、ことさらブレーキがアクセルに変わっている状況にウイルスは大喜びかもしれない。

何が不要で何が不急なのかは自分で決めてよいというのが政府の行動が示すところであるし、すでに被災地の避難所が押し流されているような甚大な災害状態である。打っていないのならばより徹底した感染対策を、打ったのであれば、クラスターの起点になりうる危険性の認識のもとに徹底した行動自粛を。そして政府は、ワクチン接種が諸刃の剣であることを十分認識したうえで、十分な補償による徹底した人流抑制策を。

自分の身は自分で守るしかないのだが、暮らしはそうはいかないのだから。

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