スライマーン様へ愚者からのお願い:愚かさの檻

普段は見えない檻 アラビア語論・言語論
普通は見えない檻だけれど

スライマーン様(彼の上に平安あれ)、お願いです。

「愚かな者をうすに入れ、 きねをもって、麦と共にこれをついても、 その愚かさは去ることがない」* なんて言わないでください。

それは、 「愚かな者」に対する呪いの言葉だからです。

 「愚かな者」が自らを変えようとすることを否定し、 そして周りの人々の見る目と心を決めてしまいます。


ところで 「明日のことを誇ってはならない」** のですよね。

「一日のうちに何が起こるかを知ることができないから」** という理由でしたよね。

  たしかに、愚かな者が、知識を愛し、知恵と教訓を大切にすると言っても、 明日のことはわかりません。  

と同時に、  愚かな者が明日も愚かな者で居続けるかどうかもわからないのではないですか?  

 

お願いです。

愚かな者を呪って愚かさの檻に閉じ込めないでください。

「愚かな者よ、知恵を得よ」***  とだけ言ってください。  

最後の預言者が亡くなってしまって久しい現在の人間たちの世界には、 完全な愚か者も、完全なさとき者も、完全な知恵者もいないのですから。 

 

* 『旧約聖書』「箴言」27:22
** 『旧約聖書』「箴言」27:1
*** 『旧約聖書』「箴言」8:5

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